改名決めたら、友達に年賀状を出してもらおう!希望の名前に改名するための「証拠集め」とは
前回は不便や奇妙など正当な理由があれば裁判所から改名の許可が下りて、改名ができることを書きました。
今回は、そういった理由がなくても、自分が希望する名前に変えたいケースの手段について述べます。
名前に不都合がなくても改名したい場合
難読キラキラネームなど、生活に不都合がある名前は、家庭裁判所に変更許可申立書を提出すれば本人の意思だけでほぼ改名が認められます。
15歳以上であれば親の許可なども特に不要です。
ただ、「字画が悪い」「名前が嫌い」などの理由では、認められません。
ただそれらの場合も、時間をかけて準備すれば改名が可能です。
おさらいになりますが、変更許可申立書の中に記載してある、改名が認められる正当な理由は下記の通りです。
1.奇妙な名である
2.むずかしくて正確に読まれない
3.同姓同名者がいて不便である
4.異性とまぎらわしい
5.外国人とまぎらわしい
6.神官・僧侶となった(やめた)
7.通称として永年使用した
8.その他()
字画や好き嫌いで名前を変えたい場合は、7番の「通称として永年使用した」に該当できるよう努力していくことになります。
改名希望名が長く使われている証拠を作っていく
「7.通称として永年使用した」に該当するには短くて2年はその名前を使ったという事実が必要になるようです。
しかもポイントは、自分が使っているというよりは、
・社会的(周囲の人々)からその名前で認知されている
ということ。
つまり、何年かにわたり、すでに改名希望の名前が他人に認められているという証拠も裁判所に提出することになります。
証拠作りが必要なのですね。
改名希望の名前で友達に年賀状を出してもらおう
ですので、私がお勧めしているのは、改名が決まったら、
①お友達に改名希望の名前で年賀状を出してもらうこと
です。メールやメッセなどでもいいのですが、許可を出すのが裁判所という場所柄「紙」での証拠が不可欠です。
偽造が可能なデジタルより「手書き」の文字のほうが証拠としてより真実味があります。
次に、
②学校や職場に協力してもらうことです。
改名希望の名前で通信簿などが戻ってきたら、強力な証拠となるでしょう。
職場も、協力してくれる職場も結構あると思います。
私も会社に勤めていた折に、履歴書と免許証のお名前が違う新人さんにお会いしたことがあります。
理由をきいたら、改名希望とのことでした。
会社としては、一旦本人確認はできているので、改名後のお名前で通していただく方針だったようです。
融通が利く会社であれば、名前がかかれた社員証や会社が発行した名刺、辞令、給与明細などは超強力な証拠になるでしょう。
さらに
③知り合いからの宅急便や郵便物のあて名に改名希望名を使ってもらう
というのも有効です。その場合、送り状は保管しておきましょう。
ただしネット通販などの場合は、自分で名前を登録しますので、証拠としては弱いようです。
やはり知り合いからの手書きが強いでしょう。
銀行については、本人確認書類と違う名前を使うのは、現状的には難しいようです。
改名した名前と一生付き合う決意ができてから準備を
以上のように、改名を決めたら、その名前をある程度の期間、実際に社会で使って、証拠を作る必要があります。
お友達はもちろんですが、学校や職場など、公的な場所で、実際に名前を使っている証拠があればあるほど、裁判所の許可が下りやすいと思われます。
それは、本人自身に改名に揺るぎない決意がある証拠にもなります。
また前回にも述べましたように、改名申立てが許可されるのは、基本的に生涯に一度のみといわれています。
気が変わった、センスが変わったなどで、何度も何度もの改名はできないようです。
つまりもし
「改名やめたほうがいいかな…」
「やっぱり他の名前も迷う」
などあやふやな状態ならば、改名した名前と一生付き合う決意ができるまで、証拠作りも先延ばしにしたほうがいいでしょう。