産後ハイで暴走する親の愛情が難読キラキラネームを呼ぶ!?
今回は我が子にいわゆる「キラキラネーム」をつける原因の1つ、親のメンタルや思考についてお話ししましょう。
キラキラネームは昔からあった
一般的な名前に使われないような当て字を使ったり、ちょっと想像できないような想像できないような読み方をすることで話題になるキラキラネーム。
昔はキラキラネーム扱いでも、今ではキラキラに思えない名前があるほど普及を見せています。
ネット文化や核家族化が原因だろうとする説もありますが、キラキラネームは近代戸籍が始まった明治時代からありました。
例えば文豪・森鴎外の子供は、
於菟(おと=オットー)、
茉莉(まり=マリー)、
杏奴(あんぬ=アンヌ)、
不律(ふりつ=フリッツ)、
類(るい=ルイ)
とドイツ・フランス系の名前を個性的な当て字で表現しています。
他にも
日露英仏(ひろえ=女性)
珍男子(うずひこ=男性)
嗚呼老(あおい=女性)
亜歴山(あれきさんどる=男性)
などという名前が実際にあったといいます。
我が子を宇宙一に感じる産後ハイとは
読みにくい、いじられる、など実用的でないことも広まっているにもかかわらず、どうして親は我が子にキラキラネームをつけるのでしょうか。
実は、それには出産に伴うメンタルの状態が関係しているといわれています。
出産は女性にとって大変苦痛を伴う大仕事です。
そんな大仕事を成し遂げた出産直後の女性はアドレナリンが大量に出て、テンションが最高潮のいわゆる「産後ハイ」の状態になります。
人により、嬉しくて眠れないほどの興奮状態になるともいいます。
そして目の前に生まれ出た我が子を守り育てようとする愛情ホルモン・オキシトシンが大量に分泌されます。
つまり、我が子が愛くるしくて、いとおしくて、唯一無二で宇宙一の存在に感じるわけです。
これは子供を産んだばかりで身体に負担がある状態の母親が、生まれたばかりの子供に昼夜を問わず乳を与えて育てていかないといけない大変さを緩和するための身体の仕組みといわれています。
そして、この状態はだいたい1か月続くといいます。
周囲に負けたくなくて超個性的な名前をつける
出生届は2週間以内に提出と定められています。
2週間以内に正式に名前をつけなくてはならない。
つまり、産後ハイの真っただ中で名前をつけることになるのです。
ここで旦那さんが冷静ならいいのですが、産後ハイは旦那さんにも出るんですね(笑)
赤ちゃんは誰が見ても可愛い。
苦労して生んだ子なら、その可愛さはいっそう。
こんなに可愛い子はいない!
この世で唯一無二の存在だ!
という興奮のままに、キラキラした名前をつけてしまうようです。
特に、周囲にキラキラネームが多いと、負けたくないと一層張り切るようです。
「誰にも負けないような名前」
「見たこともないようなこの子だけの名前」
そうやって難読なお名前が出来上がるわけです。
名前は好みがわからない相手へのプレゼント
名前は子供への最初のプレゼントといいます。
他人にプレゼントする場合、相手に喜ばれるものを選びますよね。
でも名前を受け取る子供は、まだ赤ちゃん。
好き嫌いが言えるようになるのはまだまだ先です。
ここで忘れてはならないのは、自分の子供と言えど、赤ちゃんは他人、他人格なのです。
相手(赤ちゃん)がどんな好みか、名前を付けられる段階ではわからないのです。
親が好きな名前、他人に負けたくなくてつけた超個性的な名前が、本当に喜ばれるかどうかをよく考えてつけたいところです。
相手の好みがわからない場合のプレゼントを、あなたはどんな風に選びますか?
そこに答えがあると思われます。